推薦者:林原 蛍一
『生徒諸君!-教師編-』

講談社 BE・ LOVE KC    作者:庄司 陽子

 

●作品の内容●
 
前作「生徒諸君!」で、母校の中学校に教師として戻ってきた「ナッキー」こと北城尚子。
教頭で上司でもあり、恩師でもある金田先生の推薦により、問題中学に急遽赴任することに。
この物語は、その場面から始まります。
前作同様、問題があったら、放っておけず、自分に真っ直ぐで、曲がったことが大嫌い。
そして、問題には体当たりで解決する・・・そんな相変わらずの「ナッキー」が繰り広げる学園物語です。
 
●作品の見所●
 
いつも自分に真っ直ぐで、他人の為に体を張って、信念を貫く。
ときには「ハラハラ」させられる場面もありますが、最終的には丸く収まる。
それが、どんな相手であろうが、相手に気に入られるほどになるし、また協力もしてくれる仲間、友人・・・
または支援者となってくれる。人の「輪」というのはいかに大切かを示していると思います。
しかし、それが気に入らなくて妨害をする人間も居ます。
大抵は、大人が子供の信頼を裏切る行為をして、子供がグレてしまった、というのがほとんどなのですが。
しかし、大人の中でも、彼女に難癖つけて、クビをかけたイベントを発動したりする輩も居ります。
・・・今後の「ナッキー」の活躍が気になります。
 
●推薦者の感想●
 
初めは孤独に奮闘する「ナッキー」ですが、持ち前の根性と体を張った行動で、次々と閉ざされた心を開かせ、
気が付けば「ナッキー」を中心とした「輪」が出来てて、仲間、支援者となって、次々と問題を解決していく。
ただ、力ではなく、相手の心を開かせて、相手を認め、相手を癒し、相手を思いやる心があるということを、
相手に気づかせるために、自分がどうなろうと、体を張った行動をする、いわゆる「熱血教師」の部類に入るかと
思うのですが、「学級崩壊」、「傷害事件」など、現代の学校現場における問題を、「ナッキー」みたいな教師が数
多く居れば、もしかしたら軽減できていたのかも、と思えて仕方ありません。
私事ですが、僕が小学生〜中学生であった約20年前には、「ナッキー」同様の先生を数多く見かけたものです。
その先生方は、生活指導的な役目を担ってた先生方で、いけないことには「厳しく」、いいことには「優しく」、問題
があれば「親身」に、いつも笑顔の絶えない先生方でした。早くしてお亡くなりになったのが悔やまれますが。
「生徒諸君!-教師編-」を読んでいると、「ナッキー」とその先生方とダブって見えて、「ナッキー」頑張れ、
もっと「ナッキー」みたいな教師が多く居て欲しい、と思ったりしています。
「サラリーマン教師」じゃなく、「熱血教師」が増えて欲しい、と切に希望します(w
 
●作品の入手難易度●
 
現在も、講談社で隔週発刊の「BE・LOVE」で連載されていますし、コミックス第1巻が2004年04月13日第1刷
発行なので、最近の作品です。地元の書店でなければ、大型の専門書店等でしたら簡単に手に入ると思われ
ます。ちなみに、僕が所有している第1巻は第4刷です。「半年ほどでここまでいくか!」、と驚いてます。
現在、第3巻まで発刊されています。
 
●最後に一言●

 
前作を読んでいるからでしょうが、第3巻で、修学旅行でのハプニングで、自分より生徒を優先させて
自分が痛手を負います。この場面を読んでいる最中、涙が止まりませんでした。
ハンカチかティッシュペーパーをご用意下さいませ(w

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